──仕様が落ちた時に、何がどうズレているのか
AIとやり取りをしていて、
こちらが意図していない方向に勝手に寄っていったり、
必要以上にロジック全開で突っ走ったりすることがある。
多くの人はこれを
「AIが暴走した」
「なんか攻撃的になった」
と言うけれど、
実際には、もっとシンプルだ。
ハンドシェイク(仕様同期)が成立していないだけ
である。
AIは人間の“行間”を読まない。
読めるのは構造だけ。
だから、構造が渡らないまま会話すると、
AIは与えられた“曖昧な最小情報”だけで最適化に入る。
その結果が ダイバージ(意図逸脱) だ。
今回は、このズレがどこで起きているのかを
ユーザー側 → AI側 → 出力
の3段階のハンドシェイク図で整理する。
🟥 レイヤー1:一般ユーザー
(「いい感じにして」「自然にして」→ AIが丁寧化補正 → 冗長化してズレる)

レイヤー1では、
ユーザーは“雰囲気”を投げ、
AIは“平均点補正”で返す。
つまり、
曖昧語 × 補正語 のループ
になっている。
これでは噛み合うはずがない。
🟧 レイヤー2:フィルタ外し勢

(「弱点全部教えて」「本音で」→ AIが最短ロジックで突っ走る → 攻撃的に見える)
レイヤー2は「率直さ」を指定したぶん、
AIは“ロジック優先・感情0”で処理し始める。
しかし、目的・前提・制約がないため、
背景ゼロのまま最大効率で結論に飛ぶ。
ユーザーの方向性とズレるのは当然だ。
🟩 レイヤー3:構造通信レイヤー

(前提A/B/C・目的X・制約Y・温度・粒度 → AIが仕様受理 → ブレず安定)
レイヤー3では、
- 前提
- 目的
- 制約
- 温度
- 粒度
- 出力条件
を送ることで、
AIは“仕様”として受理し、整合性のある出力を返す。
この段階になるとAIは
“翻訳者”でも“回答器”でもなく、共同作業者
として動き始める。
ズレが起きないのは、
あなたが構造を揃えているからだ。
🔍 まとめ:AIのダイバージは“暴走”ではない
AIは勝手に暴走しない。
暴走“しているように見える”だけだ。
実際には、
仕様が落ちた状態で会話している
→
AIが未定義領域を推測補正する
→
ユーザーの意図からズレる
というだけの話。
“いい人フィルター外し”は、構造同期の代わりにはならない。
むしろレイヤー2の暴走を誘発しやすい。
AIとの対話は、行間ではなく構造で行う。
これが“ダイバージしないAI”の使い方だ。