GeminiとChatGPTの方向性の違い

※以下は、私個人の限られた視野と情報に基づく考察です。
すべてを知っているわけでも、全体を俯瞰できているわけでもありません。
あくまで「見えている/触れている範囲」での個人的な感想です。


Geminiは本来、既存のGoogleプロダクトへ組み込まれることを前提に整備されたAIだと考えている。
すでにGmail、YouTube、Maps、Googleアシスタントなど、複数のプロダクトへ段階的に組み込まれ、
「自社製品の底上げ」や「付加価値」として存在価値を見出してきた。

いずれも共通しているのは、
すべてが自社プロダクトであり、AIはその内部機能として振る舞うという点だ。


それに対して、OpenAIのChatGPTは構造が異なる。
OpenAIには、メールサービスや動画プラットフォームといった
いわゆる「巨大な自社向け最終プロダクト」が存在しない。

そのため、ChatGPTは

  • API
  • アプリ機能
    といった形で他社が組み込む前提で提供される。

Geminiが「自社で付加するAI」だとすれば、
ChatGPTは「他社(サービス提供側)が自由に付加するAI」という立ち位置だ。

この違いは、メリット・デメリットを考え始めると非常に興味深い構造になる。


つい数か月前、ChromeブラウザにGeminiの機能が追加された。
ただし正確に言えば、Geminiそのものが内蔵されたわけではない

機能の実体はWebサーバー側にあり、
Chromeには「入口」、つまりショートカットが追加されたに過ぎない。

オムニバー(URL表示欄)の右側に
「AIモード」ボタンが増えただけだ。

果たして、これは「統合」や「内蔵」と呼べるものだろうか?
私たちが期待していた「AI内蔵Chrome」とは、本当にこの形だったのだろうか。
そして、なぜこうなったのか。


理由は単純で、
AIを提供する側と、ブラウザを提供する側の都合が一致しないからだと思っている。

Googleは、極めて縦割りの企業である。
AI部門とブラウザ部門は、外から見れば「隣の部署」に見えるかもしれないが、
実態としては日本企業で言えば「ほぼ別会社」に近い距離感だ。

そうなると、深いレベルでの統合は現実的ではなく、
今回の形は「部門間でできる精一杯」なのだろう。

どちらも自分が主役であり、
どちらも相手に配慮する必要すらない。


一方でChatGPTは、そもそも別会社が提供するAIだ。
OpenAIはAPIという形で、
万全に整備されたAIを他社が自由に組み込める状態で手放している

そのため、

  • ただ「乗せる」だけの実装もできる
  • 切り離せないほど深く「内蔵」することもできる

実装の自由度は、完全にブラウザ側に委ねられている。


そもそもGeminiもChatGPTも「汎用AI」である。
汎用AIとは、特定用途に特化せず、何にでも使えるAIのことだ。

もしこれが「ブラウジング専用AI」であれば、
特別なカスタマイズをしなくても自然に統合でき、
「乗せただけ」という状態にはならないはずだ。


では、私たちが想像する「AIブラウザ」とは何なのだろうか。

私個人のイメージでは、
検索を行った際に

  • 関連しそうな情報を先回りしてチェックし
  • 別の可能性や補足情報を提示し
  • 文脈に応じた深掘りをしてくれる

そういう存在だと思っている。

現状、そのようなブラウザは存在しない。
では、これを読んでいる人はどんなAIブラウザを想像しているだろうか。

意外な方向性、意外な形もあるかもしれない。
それが受け入れられるか、価値を感じられるかは別の話だ。

ただ、
「いちごショートの上のいちごをみかんにしただけで、みかんショートと呼ぶ」
──そんな“飾りのAI”であれば、私は必要ないと思っている。


別の投稿でも触れたが、
GoogleはAIに過度に傾斜するあまり、既存プロダクトの予算を削り続けているように見える。

その結果、
予算も人員も削られ、
既存プロダクトは「生存できるギリギリ」の状態でゾンビのように延命している印象すらある。

この状況で、
「既存プロダクトへAIを組み込むことで価値を高める」という戦略が本当に成立するのか。

私は、かなり懐疑的に見ている。

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