最近、YouTubeを見ていてなんとなく感じることがある。どこを見ても似たような動画ばかりで、見終わった後に何も残らない。
これを「スロップ」と呼ぶ。
スロップとは、AIや量産的な手法で作られた、消費されるだけのコンテンツのことだ。
YouTubeに限った話ではなく、Google検索でも似たような現象が起きている。
検索スロップとでも呼ぶべき、SEOに最適化されただけの中身のない記事が上位を占めるようになった。
共通しているのは「消費されることだけを目的に作られている」という点だ。
なぜスロップが増えるのか。答えは単純で、受け入れられるからだ。
視聴者が消費し続ける限り、アルゴリズムは拡散し続ける。作り手は「需要がある」と判断してさらに量産する。
視聴者はスロップに慣れ、それが普通になる。舌が鈍化していく。
飲食店で例えると、腐った食材を使っても客が気づかず満足して帰るから、どの店も安い食材を使うようになった、という状態に近い。
そんな飲食店街をみてシステムが最適化した今の評価システムになってしまっていることも問題だろう。
YouTubeが自らスロップを加速させた
ここで面白いのが、プラットフォーム側もこの泥沼化に加担しているという点だ。
YouTubeはここ数年、Shortsを強力に推進してきた。TikTokに暇つぶし層を奪われることへの対抗策として。
しかしこれは、YouTubeが自ら「暇つぶしコンテンツのプラットフォーム」へと舵を切ったことを意味する。
暇つぶし層を取り込もうとした結果、スロップを作るクリエイターを呼び込み、プラットフォーム全体の質を自分で下げた。
暇つぶし層は広告単価が低い。購買意欲も低く、広告をスキップする。
再生数は稼げても単価が低いコンテンツが増えることで、ちゃんと作っているクリエイターの広告収益まで道連れに下がっていく。
悪貨が良貨を駆逐する
経済学にグレシャムの法則というものがある。「悪貨は良貨を駆逐する」というやつだ。
品質の低いコンテンツが増えることで、品質の高いコンテンツが埋もれていく。
しかもアルゴリズムに最適化されたスロップの方が表示されやすい構造になっているため、良質なコンテンツが駆逐される速度は加速する。
これを止める方法は、正直なところ見当たらない。プラットフォームも、クリエイターも、視聴者も、それぞれが合理的に動いた結果として泥沼化が進んでいく。
誰かの意図ではなく、構造の問題だ。
次回は、この泥沼の中で消えていくクリエイターたちの話をする。
本稿はAIアシスタントとの共同編集のもとで構成しましたが、内容と判断は筆者の意志に基づいています。